備前の魅力

koudansha2006-07-03


店をはじめて今年で20年。備前に行くようになって18年。500人を超す作家・窯元がもの作りに励む陶里。いまだ飽きもせず、僕は備前詣でしてます。土づくり・作品づくり・窯詰め・
窯焚き・窯出し。約1年でこの工程をこなします。簡単にいえば、1年に1回しか窯を焚かないのです。別の言い方をすると、1年に1回しか窯を焚けないのです。たとえば、現在55歳の人は15年先の70歳まで作家活動するとしても、15回しか窯焚きできない訳です。

 1年というストロークのなかで生きるということは、どこか腹が据わってないとやってられない世界なのかな・・・・・。僕のように、せっかちで短気で結果をすぐ求める様な性格では、勤まらないだろうな。といつも備前の仕事を考えるときにおもいます。
 
 「やきもの」と言うだけあって、窯から出てナンボ。窯の中すべて良い物がとれるわけではありません。僕は備前の作家の窯出しに行くとき、僕の中で一番良い物を買うようにしています。
 
 僕らの店のお客さんに一番良い物を嫁がせたい。その一念で備前へ行ってます。商売なのですが、ここまで来るともう自分との闘いみたいなところも・・・・・。
 
 造ったものには、その人の育ち(生き方・考え方・処世等々)が見えます。売る人にも同じ事が言えるでしょう。「品格のある商売を・・・・」と日々思っています。