初めての異国   (1)

 1975年、パスポートをつくりヴィザの申請し、初めて国境を越えました。
どこの国でも良かったのです。行ったところはアメリカ。
当時の持ち出しドルは、1500ドル。日本円は10万円まで。確か1ドル300
円ぐらいでした。

国際空港は羽田。空港の国際線待合室からバスにのり飛行機まで行き、タラップを
あがり機内へ。いまでは考えられぬのどかな光景です。

カリフォルニアの青い空やイーグルスやいちご白書に憧れていた訳ではないのです。
しいて言えば、おじさんが戦前からシカゴに住んでいた(移民)ので、「墓参りでも
出来たらいいなあ・・・・」くらいの気持ち。

海に囲まれた日本人である僕が国境を越え、言葉も文化も食生活も違う異国の地で
どんな事を思い、どんな気持ちになっていくのか。
とりあえず1度国境を越えてみなくては・・・・。というのが正直な気持ちだった
ようです。

5月の初めに出発し帰国したのがたしか10月の初めだったと記憶してます。
最初のうちは、語学学校に入り英語の勉強をしてたのですが、途中で馬鹿らしくなり
(語学なんてものは、日本でもできるのに・・・)旅にでることにしました。

その頃、ちょうど植村直己が北極点目指して犬ぞりの旅をしてました。  (つづく)