やせ細った友

 店で作品の入れ替えをしてた時の事です。店のドアをノックする人の姿。頭もヒゲも
 真っ白なやせ細った50代の男の人が立っていました。あまり店に入ってほしくない
 雰囲気の人のように感じました。

 よく観ると、大学時代の兄弟分のIではありませんか。それが17年ぶりの再会でした。
  
 大学時代1年ほど僕のマンションにころがり込んでいた奴。いつも一緒でした。彼は1
 年留年し、僕は、卒業後すぐ東南アジアの旅に出てしまい、それ以降学生時代のような
 親しい関係は、ありませんでした。

 彼がサラ金から多額の借金をして親が返した・・・とか二度離婚した・・・とか
 は、人づてに聞いていました。

 ずーっとフリーターのような仕事をしてたけど、「やっと仕事がみつかった」と彼は言った。
 その仕事は新聞の拡張員。いつまで勤まるか。僕は、「よかったナ」と彼に言った。

 アイビー青年でお洒落だった。その彼がクシャクシャのパンツにTシャツ。昔よくふたり共
 履いていたコンバースのズック。ふと彼の足元に目をやると、よれよれのコンバース
 
 次に会う時は、(上から下まで)アイビーできめて来て欲しいな・・・・・。