備前陶の楽しみ

koudansha2008-10-14


 焼き〆陶の王国備前へ行くようになって20年になります。備前焼のイロハも解らず失敗の連続でした。川端文男さんと脇本博之さんのところへ行くようになったのは、確か1992年頃だったと思います。川端さんは飛び込みです。前日電話を入れ「明日お伺いしたい」と言ったら「もう業者はいっぱいだから来られても困るよ・・・・」と断られました。業界のことも備前焼のことも何も知らない僕は、翌日断られた川端さんの工房を訪ねました。あまりにも知らない(やきものの知識や業界のことなど)ので、逆に心配になり、そして可哀想に思いそれ以来、備前焼の歴史的流れ、陶土、窯焚き、古備前などなどを手解きして頂いています。ですから備前焼に関しては僕の先生です。本当に優しい方で今でも見守って頂いております。

 脇本さんは、当時取扱っていた唐津の川上清美さんの紹介だったと思います。僕も脇本さんもまだ40才前でした。彼の家に泊めてもらい、二人で酒を呑みながらやきもの談義を今でも続ける関係です。

 二人とも窯焚きは、一年に一度です。土作りから始まって、作品作り、窯詰め、窯焚き、窯出しまでのプロセスに一年の歳月を要するのです。

 そのような工程を経て窯から出てきた作品群が今回も店の中に並んでおります。数週間も窯の中で焼こまれた川端さん・脇本さんの輝く作品群をご覧頂きたく思います。会期は10月18日の土曜日まで。