中川自然坊が遺したもの
中川自然坊がなくなって一年三ヶ月になります。
初めて会った時がお互い三十五歳でしたので二十三年の付き合いでした。
昨夏、仕事場からちょっと上がった所にある彼の墓に参りました。
墓の中の自然坊に「俺は君の追悼と君が遺した弟子達の展覧会をするよ」
と伝えました。それが今回の「中川自然坊の遺したもの」です。
やきものに対するひたむきさ、表裏のない人柄、いつも直球勝負を挑んで
いました。五十八年の人生は性格そのままに生を駆け抜けたように思います。
今回ご紹介する六人の弟子達ひとりひとりの中に、自然坊の遺していった
ものが花開いていくことを願います。
自然坊の親友であり、僕の友人でもある唐津・観音寺の和尚元了さんの
言葉を最後に記しておきます。
「弟子が帰郷した年末年始、独りで轆轤を回していた。そんな茶盌で私は
毎日茶を喫す。命のお茶である。」
「中川自然坊が遺したもの」は、3月23日〜30日まで
作品は、茶盌、徳利、ぐい呑、食器、花器など約100点。
弟子の梅田健太郎(熊本)、今野安健(山形)、瀬戸口真(佐賀)、菊池克(大分)、藤村拓太(兵庫)、神尾順二(佐賀)
も出品いたします。一人5〜10点の予定です。御期待下さい。
巷談舎 山根まさを