初めての異国 (3)
アメリカへの再入国の審査は、なかなか厳しい・・・・。という噂は当時よく耳にしました。ニューヨークの日本レストランで働く(ビザのきれた連中)日本人を移民局が摘発したとか・・・・。
カナダから再入国する僕としては、すんなり再びアメリカへ入国する方法は・・・・考えました。
カナダの片田舎から再入国しよう。それまでアメリカ・カナダの各地を旅して思いました。「田舎のひとは親切」でした。ですから、田舎の入国審査官も親切なのでは・・・。僕の思った通り、簡単に2ヶ月のビザをくれました。(今までの旅もグレイハウンドのバス)バスを乗り継ぎ、スポーケン
の街へ。そこから一路カリフォルニア州のバークレーへ。サンフランシスコ郊外の静かな大学の街。
当時の芸術・文化等の聖地(僕が勝手に思ってるかも・・・)でした。
ロスに帰って来たのは、九月。UCLAの近くに住む日本人の知人のところへ居候する。キャンパス内のオリエンタルライブラリーでの読書とダウンタウン・リトルトウキョウの東映でヤクザ・任侠映画鑑賞の日々。高倉健・菅原文太・池部良・藤純子・大木実。字幕スーパーは英語なのです。字幕観ながら英語の学習です。親分は、BOSSなのです。
劇場内はまるで日本そのものなのですが、一歩外にでると、スペイン語と英語の世界に逆戻り。
レニーブルースとかジョーズとかはハリウッドの映画館で観たような・・・・。やはり、ロスで観るヤクザ映画は、少々心にジーンとくるものがありました。
秋に天皇がアメリカに来る。ロスの僕ら日本人に対する締め付けも感じるようになり、そろそろアメリカともお別れだな・・・・と。帰国を決めました。 つづく