店を始めたのは20年前

 1987年の11月に巷談舎を始めました。僕が34歳。取り扱う作家は確か5〜6人でした。それも昔からの友人とその関係者。あと、問屋から唐津の隆太窯の窯ものや津軽ビードロのガラス。いま思うと、恥ずかしいような品揃えでした。オープン当日は、大学時代の先輩とか友人達が来てくれましたが、一週間も経つと閑古鳥状態。それでも何とかなると思っていました。正月も元旦から開けました。いざ開けてみると、誰も来ません。3日にお屠蘇気分の酔っ払いが一人来店のみ・・・・・。そんな経験をしたので翌年から今に至るまで、正月はゆっくり休んでます。
 20年もやってるといろいろな事がありました。一番きつかったのは、やはり阪神大震災の時です。店の中は全滅状態。本当に哀しかったです。
 うちには、性格の明るい少々のうてんきな相方の母ちゃんがいるので本当に助かります。この僕は、恥ずかしい話、銀行へ行った事がありません。この20年銀行は母ちゃんの係。僕は、帳簿とか銀行とか言うことが好きではないのです。

 全国各地の陶芸家を訪ね歩くのが一番好きです。支払いの事などあまり心配しないで、良い作品があれば買う。そんな生き方を20年させてもらったのもうちの母ちゃんのお陰。感謝してます。これからも、今まで通り全国各地を走り回り良い作品を見つけて来たいですね。